ぼくはイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー
2021年9月
オススメ度90点
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー (新潮文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4101017522/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_i_M89Q8ZZP3K92CJAKQMCY
要約
イギリス在住の女性からの視点の本。出てくるのは自身の息子。いわゆるハーフの子どもがイギリスに育っていく中で多様性や人として育つ核になるものを受け、悩み育っていく息子の話。
感想
我が家も転勤。狭い日本ですが方言やその土地独特のルールを感じ取りながら、自己確立してきた子どもたちを眺めていたときの心境がこの作者と重なり、読み進めていく中でこの息子さんはどう理解していくのだろうか?と気になり一気読みしてしまいました。
アイデンティティ、ハーフやMIX、多様性、貧困など、あらゆる視点から正面でぶつかるところは、大人ではできないところ。
母親と息子と微妙な距離感や客観視していく母の姿にも感銘を受けました。
イギリスという奴隷制度が古くからあった土地で湧き出ることなど、日本はまだまだ成熟していない事気が付かされたことも多かったです。
小学校で子どもの権利条約を学ぶという点は、保育士であったわたしが一番目から鱗でした。
他の国の話にも興味がありましたが、親の立ち位置や子どもの複雑な変化をより捉えやすい本でした。